縛られた女性の美しさ
高手小手。胸の上下。股縄。それだけでいい。 正座をさせて、しばらく何もしない。
うつむいたせつなげな横顔。下に落とした瞳。薄く開けた唇。
観念しきった表情。
肩先の細さ、腰のくびれ。
恥ずかしさと安堵感が漂う。
そうして、支配者は誰か、所有物であることを誓わせる。
蚊の泣くような小さな声で復唱する。
呼吸が少し速くなり、ため息が漏れる。
愛しくなり、せつなくなる。SMは性欲だけじゃない。
芸術的な体のラインを手の甲でそっと撫でる。
感情の高まりを表わすように、桃色の肌が少しだけ鳥肌立つ。
耳たぶを指でいじりながら、普段のその人の生活を想像する。
あるいは社会人として、あるいは家庭で、凛とした、とり澄ました表情で、暮らしているのだろう。
今は支配され、なすがままにもてあそばれる。
立つように命じる。はいと返事をさせる。
片足をくの字に曲げていて、そのことを叱ると足をおずおずと開く。
支配者はすべてを知る権利がある。
後ろを向かせる。
尻の上にくくられた両手がある。
じらされて、我慢できなくなったのか、ため息が漏れる。
縛られた女性は美しい。
